「学位」ってなんだろう

ミシガン一ヶ月ぶりの投稿となります、こんにちは。ようやくアナーバーにも陽光が指す季節になり、昼間は一年でも最高の季節が訪れています。日本は入学式のシーズンでしょうか。

入学式ついでということで、今回は学位が持つ意味というものを、すこし考察してみたいと思います。

出身校として大学を評価するとき、皆さんは何を以って評価しますか?
おそらく日本では大学名そのものが評価の対象となることが多いかと思うのですが、実はここアメリカでは、学部や専攻まで含めて評価されることが殆どです。例えば僕のケースでは、「ミシガン大」でも「ミシガン大工学部」でもなく、「ミシガン大学工学部宇宙航空工学科」というところまで含めて見られるんですよね。

かといって専攻だけかといえば、そうではない。必ず大学名も聞かれる。
「何勉強してたの?」
「宇宙航空工学です。」
「…どこで?」
必ずついてきます。

で、僕はこっちに来てからつい最近まであまり理解できていなくて、アメリカ人って所属意識薄いはずじゃなかったのか、なんて思っていたのですが、先月旧友を訪ねてイエール大学に行った時に、その解を垣間見たような気がしました。

そもそも「大卒」って言葉が持つ意味はなんでしょうか。そんな当たり前な、大学課程を修了したということだ、と言われるかもしれませんが、では大学課程修了を企業や社会が重要視する理由はなんでしょうか。もっと言えば、それはなんの能力の証明になるのでしょうか。

日本での大学の評価は、一般に大学全体としてのヒエラルキーがそのまま全ての学部に当てはまるかのような構造になっています。東大生・東大卒なら、学部専攻問わず「日本一の学生だ」と、みなされることが多いのではないでしょうか。ところがアメリカでは、「ハーバードだ、イエールだ」というだけでは足らないんです。例えばその二校の政治学などの評価は世界トップですが、工学における評価は、決して非常に高いわけではありません。

先日イエールに行った時に、そこでコンピューターエンジニアリング(CE)をやっている友人と話したところ、彼はイエールのCEはレベルが低いと言っていてとても驚きました。しかし詳しく聞くと、カリキュラムのレベルには確かに差があるようだという風に思い直しました。例えばイエールでは自分が組んだプログラムが動けばOKですが、MITやミシガンでは処理時間や、時には消費電力、反復回数まで評価の対象となっているんですね。

その話を聞いた時に思ったのが、アメリカでは大学ごとのカリキュラムが非常に異なっているため、「どこの大学のどのカリキュラムをどの成績で修了したか」がそのまま能力の証明として用いられてるんだな、ということです。ミシガンはこのように非常に専門性が高い反面、イエールが誇る素晴らしいリベラルアーツ教育は少なくともエンジニアには施されません。(そういうプログラムも存在はしますが、その場合エンジニアリングとの両立は難しくなります)
つまり同じ「大卒」で、同じ専攻でも、イエールの卒業生とミシガンの卒業生とでは全く持っているクオリティーが異なり、だからこそ企業はそこまで含めて評価するんでしょうね。

また、ひとくくりに「工学部」といっても、その中でも学科ごとに評価は異なるので、来年出願しようと考えている人にはここまで含めて見てもらいたいです。僕自身もこちらに来るまでは、大学の総合ランキングと、たまたま見つけた工学部ランキングが絶対の指標のように思っていましたが、実態はもっと複雑だっということを将来の出願者の方々にはお伝えしておきたいです。

なお、「大学教育」の捉え方の違いも次号で触れてみたいと思います。先ほどのCEの話をしてくれた彼も、イエールの授業に加えてMITのOpen Coursewareでも学んでいるので、その辺りどうなってるんだということも含めてお話できたらなと思います。

最後に!
イエールについてもっと知りたい方は、イエールの日本人の学生が始めたブログもあるので、そちらも参照してみてください!とても面白いですし、なにより名前がJUSYって美味しそうな名前でした(笑)

ではまた次号でお会いしましょう!

イエール日本人学部生団体ホームページ
https://japaneseundergraduatestudentsatyale.wordpress.com/